看護師の皆さん.その周りのすべての皆さんこんにちは.
看護師には大きく分けて大卒,専門卒という2つのカルチャーがあります.
もちろん,短大や高専もありますが,ひとまず置いておきましょう.
カルチャーという表現をしましたが,看護会で実は大きな問題となっていることなんです.
専門卒 VS 大卒?
長らく,看護師の業界は看護専門学校卒が主流でした.現在の看護協会の会長さんも看護専門学校卒です.(のちに大学・大学院で学ばれていますが)
皆さんの病院の看護部長クラスの人材は基本的には専門卒の方が多いかと思います.一昔前は病院に専門卒ばかりの病棟に,看護大学の学生さんが実習にくると「大学生さんはお気楽でいいわね」なんて嫌味をいう看護師さんも少なくありませんでした.(少なくとも私の病院ではよくありました)
10年ほど前に看護学部が乱立した背景もあり,現在は大学卒の看護師さんは珍しくなくなりました.
しかしながら今,看護師教育課程をすべて大学としようという動きがあります.“看護の専門性”を学ぶには3年教育では足りないとの考えのようです.カリキュラムは更新され,更新のため履修科目が増えているようです.
看護師基礎教育は「地域・在宅看護論」などの単位数が引き上げられ、総単位数は現行の97単位から102単位とされました。一方で、これからの看護師に求められる能力からみれば、他にも追加すべき教育内容がありましたが、3年の修業年限では難しいとして含めることができませんでした。現在のカリキュラムでも3年間ではすでに過密な状態で、そのしわ寄せとして1科目当たりの実習時間は20年前の約半分になっています。
これからの看護師に必要な教育内容を追加するには、もはや3年間の修業年限では不可能です。
看護協会【重点課題】看護師基礎教育の4年制化 https://www.nurse.or.jp/nursing/4th_year/index.html
日本看護協会では、これからの社会・医療に対応できる看護師を育成できるよう、看護師基礎教育の4年制化の実現に取り組んでいます。
重点課題と題されていますので,看護協会も本腰をいれていることに間違いはないでしょう.
今後,専門学校がなくなるとしたら.今度は専門学校卒の人が肩身の狭い思いをするのでしょうか.
どうなる専門学校
専門学校は社会人枠が多くあり,社会人を経て“看護師になりたい”という方や,他の大学を卒業したけど“やっぱり看護師になりたい”という方の大きな受け皿となっています.
実際,社会人や大学をでてから更に4年間,看護大学に通うというのは現実的ではないようです.
現在,看護師不足が深刻化するなかで,急にこの受け皿をなくすということは現実的ではないでしょう.
ただ,前述したとおり看護協会が本腰をいれているのは間違いありませんので,いずれかは専門学校や短大という看護教育課程はなくなるのでしょう.
専門卒はどう生きるか
専門学校は“即戦力”を育成することを目的としています.そのため,看護大学へ進んだ同級生よりも1年前倒しで働くことができます.
看護師さんならきっとわかると思いますが,看護師1年目と2年目ではできることに雲泥のさがあります.
クリニカルパスによる業務の効率化と引き換えに,業務がルーチン化され看護の個別性を失ってしまう現実があると思います.そこに病院や各病棟の独自のルールがあり,それは看護師1年目に大きな壁となり得ます.専門卒の子の方がそのルーチン化に乗ることが上手な印象があります.ただ,看護の専門性を追求する上で,業務のルーチン化が果たしていいことなのか.
日々の業務にまず慣れて,一呼吸おけるくらいの経験が詰めたら.ぜひもう一度勉強しなおしてみてください.“即戦力”だからこそ学べる“看護の専門性”を追求してみてください.
ちなみに,看護大学を卒業してられる“看護学の学士”専門卒でも働きながら取得することができます.
まとめ
看護教育課程の専門,大学についてまとめました.
今後,専門学校がなくなるのは間違いなさそうですので,看護師を目指すなら今かもしれません.
また専門卒で,看護学学士を働きながら取得する方法も存在します.詳しい説明は記事でご説明しますね.
それでは,最後までお読みくださりありがとうございました.
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