皆さんこんにちは今日は人工呼吸器の基礎編で、トリガーについてです。
少しマニアックな内容ですが、意外と大切ですのでご一読くださいね。
トリガーとは
そもそもトリガーとは?
trigger(トリガー)とは、本来は引き金の意味。これが転じて「きっかけ」や「要因」という意味で用いられ、医療用語やIT用語などとしても使われます。
https://oggi.jp/7048189
よく、喘息発作などの要因のことをトリガーなんて言ったりしますよね。
でも人工呼吸器では自発呼吸を感知するシステムです。もう少し言えば、自発呼吸を感知して、呼吸をサポートする引き金引くシステムでしょうか。
自発呼吸を感知するシステムですがその感知する方法が2種類あります。それぞれ説明しますね。
フロートリガー
こちらが一般的なトリガー方法です。
フロートリガーに設定すると人工呼吸器回路内を一定の流量で空気が流れています。
吸気口から呼気口に向けて空気が流れています。
送った量と帰ってきた量をみています。
患者さんが息を吸うと、吸った分減った量が戻ってきます。
看護ルーさんの図が大変わかりやすいので引用させていただきました。
https://www.kango-roo.com/learning/3250/ 看護ルーより
その量を感知するのがフロートリガーです。
設定は大体、1.0から2.0程度でしょうか。
感知する量の設定ですので、数値が小さい方が鋭敏です。
またこの後説明する圧トリガーよりこちらの方が鋭敏です。ですので基本的にはこちらを使うのが一般的です。
圧トリガー
お次は圧トリガーです。
先ほどのフロートリガーとは違い、流量は流れていません。
患者さんが自発呼吸で息を吸った時の圧を感知します。
https://www.kango-roo.com/learning/3250/ 看護ルーより
だいたい1~2cmH2O程度かけることが多いかと思いますが
呼吸器設定でPSを2cmH2O付加するとTV 100ml程度上がることがあるのがわかるように1とか2という数値は結構な数値です。
ですので基本的には使わないのが一般的だと思います。
トリガー設定
フロートリガーと圧トリガーについて説明しました。
基本的にはフロートリガーで1.6-2.0前後に設定すれば問題ないです。
ではなぜ圧トリガーというのもがあるのでしょう。
一つ目は、鋭敏過ぎて、自発呼吸ではないのにトリガーしてしまう“ミストリガー”という状況になってしまうことがことがあります。
例えば、特に心臓血管外科の手術直後などに遭遇することがありますが、心尖拍動を感知して、トリガーしてしまうことがあります。
自発呼吸がないのに心尖拍動をミストリガーすると過換気となってしまうことがあります。
ですのでそのような際は、あえて鈍感な圧トリガーに設定することがあります。
もう一つは、吸入薬を投与する際です。
人工呼吸器回路から吸入薬を投与する際は回路に接続して投与します。
前述した通り、フロートリガーは、空気が一定量流れています。ですので吸入薬を回路内に投与すると、吸気には関係なく流れて行ってしまいます。
ですのでこの際は圧トリガーにして投与することもあります。⇦絶対ではないです。
まとめ
人工呼吸器のトリガーについて説明しました。
少しマニアックな内容でしたね。
ご不明点や何かお気づきの点等ございましたらコメント欄にご記入ください。
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