救命処置について

今回は救命処置について説明します.

AHAのBLSやICLSなどを受講前に一読していただくとスムーズに入れるかと思います.

救命処置とは

そもそも救命処置とは

救命処置について,消防庁が動画で説明しています.

私たちが、家庭や職場でできる手当のことを応急手当と言います。病院に行くまでに応急手当をすることで、けがや病気の悪化を防ぐことができます。けがや病気の中で、最も重篤で緊急を要するものは、心臓や呼吸が止まってしまった場合です。その際、その場に居合わせた人が行う応急手当のことを救命処置といいます。

総務省 消防庁ホームページ https://www.fdma.go.jp/relocation/e-college/cat65/cat65/cat44/1-15.html

救命処置とは心肺停止の際に行う応急処置のことです.

引用先のページにある動画はしっかり作りこまれているので一度見てみても良いかもしれません.

一次救命処置

一次救命処置とはBLS(Basic Life Support)と呼ばれ、心肺停止または呼吸停止に対する救命処置のことです.

専門的な器具や薬品などを使う必要のないBLSは、正しい知識と適切な処置の仕方さえ知っていれば医療者でなくても一般の方も行うことができます。

と いうことは我々医療者は確実に実施したいですよね.

BLS

BLS(Basic Life Support)のアルゴリズム

①周囲の安全確認

②緊急通報とAEDを要請

③呼吸を確認

④CPR(胸骨圧迫)を開始

⑤AEDで解析

⑥CPRの継続➡ ⑤ ➡⑥

詳しく説明しますね.

①周囲の安全

BLSは一般の方も行うことができる処置であり,実施場所は問われません.傷病者の救助も大切ですが,まずは救助者の安全が第一です.傷病者が倒れるのが車道や線路内などの可能性もゼロではありません.善意の救助者が巻き込まれるいわゆる二次災害は避けたいですね.

Covid19蔓延もあり感染防御もここでは重要です.

BLS講習では“周囲は安全です”と指さし声出し確認をします.

②緊急通報とAEDを要請

傷病者を助けるのは救助者1人では限界があります.まずは人を集めましょう.“誰か来てください”と大きな声で助けを呼びましょう.

周囲の人に119番通報とAEDの手配を頼みます.

ここで重要なのは “誰かお願いします”という表現ではなく,個人に対し“あなた119番通報をお願いします” “あたなAEDを持ってきてください”とそれぞれに役割を振ってしまうことです.日本人の特性もあり“誰かお願いします”という表現では“誰かがやってくれる”という感覚で誰も動かないことがあるためです.

③呼吸を確認

呼吸をしていない,正常な呼吸でない場合はCPR(胸骨圧迫)を開始します.

一昔前では呼吸を“見て” “聞いて” “感じて” + “頸動脈の触知”を同時に確認する.と言われていましたが,そこに時間を費やしてCPRが遅れてしまうということがあり変更されました.

講習会では“呼吸ありません”と声出し確認をしましょう.

④CPRを開始

もともとは,“気道の確保” ➡ “人工呼吸”という流れでありましたが,感染症防止を考慮し胸骨圧迫のみでもよいとされています.

気道確保と人工呼吸についても一応説明しますね.

・気道確保

頭部後屈あご先挙上法”や“下顎拳上法”など用手的気道確保は何種類かありますが,頸部損傷などの疑いがある場合でも行える下顎挙上法を説明します.

下記の図にあるように,下顎角(いわゆるエラ)に小指を当てて,下顎を上に持ち上げます.

リッツ美容外科 東京院 https://www.ritz-tokyo.jp/facial/mandibular-angle/

看護ルーさんにも動画付きで説明がありましたのでご参照ください.

看護roo! 気道確保の実施 https://www.kango-roo.com/mv/280/

この時,上に向かって顎を引き上げるイメージで行いましょう

・人工呼吸

mouse to mouseでの人工呼吸は基本的には必須ではないのですが,BVM(バックバルブマスク➡アンビューともいわれる)での換気は上記の下顎挙上法をしながらできるのでお勧めです.

また,サイクルとしては30回のCPRに対し2回の換気とされています.ただ,ここでも換気が入っているか微妙だなーと思っても,2回やったらCPRにサイクルにもどります.それだけ質の高いCPRの重要です.

・胸骨圧迫 CPR

乳頭をつなぐ胸骨中央に両手を重ね,胸骨圧迫(CPR)します.

AHA CPRとは https://cpr.heart.org/en/resources/what-is-cpr

CPRは100回/分以上で少なくとも5~6㎝程度沈むように行います.この時,沈んだ胸骨をしっかりと戻すことを意識しましょう.

⑤AEDで解析

AEDが到着したらまずは,持ってきた方に“AED使えますか?”と確認し,もしできないようでしたらCPRを変わってもらいましょう.“胸骨圧迫変わってください” とお伝えしましょう.

まずはAEDを開けて,電源ボタンをおして起動しましょう.開けるだけで電源が入る機種もあるようです.

あとは基本的には音声に沿って行います.電極パッドを袋から出して,電極パッドを傷病者に貼り付けます.右前胸部と左側胸部となります.パッドに貼付する位置も書いてありますので,参照してください.

AED倶楽部  https://aedclub.net/aed-pad-position

機種によってはパットケーブルをAED本体に接続する必要がありますが,こちらの機種の場合は接続した時に,心電図解析が始まります.

その際に“皆さん離れてください”と一声かけましょう.もちろんAEDも“身体から離れてください”と音声が流れます.

解析の結果,致死的不整脈であれば“ショックが必要です”とAEDより音声が流れます.

その際は,再度“ショックします.離れてください”と促し,傷病者に触れている人がいないか確認し,AEDショックボタンを押します.

その後,再度CPRを行います.

ちなみにですが,ショックの適応がないと“電気ショックは必要ありません”

とAED君が言ってくれるのでその際はCPRを続け,救急隊が来るのを待ちましょう.

⑥CPRの継続とAED

AEDでショック後は“直ちに胸骨圧迫を再開してください”と音声が流れます.音声に従って,CPRを再開してください.その後は約2分ごとにAEDの解析を行うという流れになります.

上記を繰り返しながら救急隊などの専門家が到着するのを待ちましょう.

まとめ

今回は大変長くなってしまいましたが,一時救命処置BLSについてでした.誰でも行ってよい処置ですので私たち看護師はぜひ理解して実践できるとよいですね.

興味を持たれた方はBLSコースやICLSコースを受講してみても良いかもしれません.

一緒に頑張りましょう.

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