みなさんこんにちは。
本日は呼吸療法の酸素のお話です。
酸素を吸っている患者さんは多くいらっしゃいますね。
実は酸素を吸っている患者さん皆さん酸素療法という立派な治療をしているのです。酸素療法という治療なんですね
今回は少し基礎的なところからお話していこうと思います。
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酸素とは
そもそも酸素はなぜ必要なのでしょうか。なぜなら酸素は生命活動の維持に必要不可欠です。
少し専門的にお伝えすると、私たちの体の構成要素である細胞の活動のエネルギーとなるATP(アデノシン三リン酸)を作るのに必要です。酸素がなければ細胞が活動できない≒生命が維持できなくなるということです。
ちなみに大気中の酸素濃度は21%ですよね。酸素療法ではマスクや経鼻酸素によって酸素と投与して、大気の酸素と合わさって酸素濃度を上げた空気を患者さんが吸っているということです。
https://4rainbow.localinfo.jp/posts/4296768/ なないろ訪問看護ステーション ホームページより
SpO2とSaO2
まずSpO2は皆さんご存じですね。
パルスオキシメーターで測定する“サット” とか “サチュレーション” もしくは関西の方であれば “サーチ”なんて呼ばれるあれです。
こちらは日本語で経皮的動脈血酸素飽和度といいます。“経皮的”に測定できる酸素飽和度になります。
ここで酸素飽和度のお話をします。
動脈血酸素飽和度(SaO2)
酸素は、肺から取り込まれ血液に取り込まれます。その血液中のヘモグロビンに結合することで取り込まれ、運搬されるのです。動脈血中のヘモグロビンが何パーセント酸素と結合しているのかを示したものが動脈血酸素飽和度になります。それはSaO2といいます。
こちらを測定するには動脈血を採取し検査機で測定する必要があります。
https://www.irasutoya.com/2016/10/blog-post_600.html
経皮的動脈酸素飽和度(SpO2)
先ほどお伝えしたSpO2 “サチュレーション”の話に戻ります。
SpO2の「p」はpercutaneousで経皮的の意味です。
今までは動脈血採血で測定していた動脈血酸素飽和度(SaO2)が、経皮的に測定できるというめちゃめちゃ画期的な機械なのです。あの光センサーで酸素と結合しているヘモグロビンを見れるなんて改めて考えるとすごいですよね。
しかもこちらは日本人の青柳先生という方が発明されたようです。同じ日本人として誇らしいですね。
動脈血酸素分圧 PaO2
さて話は少し変わってPaO2です。少し聞きなれないかもしれませんが少し一緒に勉強していきましょう。
酸素療法の話で動脈血酸素分圧 ➡なぜ圧の話?となりますよね。
詳しくは後日説明しようかと思います。
大変ややこしいので簡単に説明すると動脈血内にある酸素の量を圧力の単位(mmHgもしくはTorr)で表したものになります。量を表したいのに単位が圧力とは訳わかりませんね。笑
ひとまずそこは置いておいて。重要なのはどれくらいあればいいのかという話です。
基準値は80~100Torrです。
大気中の酸素は160Torrです。それが体内に取り込まれる過程で水蒸気、二酸化炭素などの影響を受けて、最終的に100Torrとなって体内に取り込まれます。100がMaxです。
➡ 酸素を投与中の場合は100Torrを超えることもあります。
ちなみにこれが60Torr以下ですとⅠ型呼吸不全となります。それに合わせてCO2も貯留すると2型呼吸不全となります。
https://heart-clinic.jp/%E5%91%BC%E5%90%B8%E4%B8%8D%E5%85%A8 佐野内科ハートクリニック ホームページ
動脈血酸素分圧で動脈血にある酸素の量を圧の単位でみて、60Torr以下であるとやばいことがわかりました。
でも動脈血酸素分圧は動脈血採血でしか図れません。そこで先ほど登場したSaO2やSpO2が役立つ訳です。
https://knowledge.nurse-senka.jp/19377/ ナース専科 ホームページ
上の図をPaO2とSaO2(SpO2)の対応表となっています。かの有名な酸素解離曲線といいます。
まず覚えておかなければなのは呼吸不全の定義であるPaO2 60TorrはSaO2(SpO2) 90%です。SpO2 90%をみたら呼吸不全かも?と思うようにしましょう。また曲線を見ていただくとSaO2 90%から下にと更に85%以下になった際の曲線の低下(PaO2の低下)が急激になっていることわかると思老います。
90%以下の際、85%以下の場合はかなり酸素分圧(酸素の量)が少なくなっていると思ってください。
まとめ
本日は酸素療法の基礎としてSaO2とSpO2さらにはPaO2について説明しました。
少し難しいところもあったかと思いますが重要なところですのでぜひとも覚えてみてくださいね。
また酸素分圧については詳しく説明しようと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。







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